天神川で春の生きもの探し

BIWAちゃん

2014年04月12日 15:48

こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと、池田勝です。

桜がそろそろ散り始めの土曜日、大津市の天神川へ桝永学芸員と向かいました。
今回は「TANAKAMIこども環境クラブ」さんの川の生きもの観察のためです。

まずは、4歳から中学生までの15名とご挨拶。

も、そこそこに、手網を渡して簡単に取り方を説明して、いざ川へ。
すでに男の子たちは、川に入り済みで、聞くと「冷たくないよ」とのこと。



私も川に入り魚を追い込んで、子どもたちが網ですくい取ります。
が、追い込んでる途中に気づきました。「足が痛い、水が冷たい!」
そうです、子どもたちは遊びに夢中で気づいていませんでしたが、季節はまだまだ春、川の水が温かいわけがありません。
冷たい水に耐えながら、石の下や、流れの中の落ち葉に隠れている生きものを網ですくいます。
耐えている私に比べ、子どもたちは強いですね。腰までずぶぬれになって浸かっている男の子もいました。
(ズボンまで濡れている彼はなぜか、長靴を濡らさないように、岸にそろえて置いていました。ズボンはびちゃびちゃでも長靴は濡れたらあかんのでしょうか。)



最初は「捕れへーん」と言っていた子どもたちも、「隠れてそうなところを見つけて、足でガサガサするんやで」と教えると、徐々に「捕れた!」「これなに?」「変なんおる!」という声があがってきます。

捕れた生きものは、おおまかな種類ごとにバットに入れていきます。


事前の下見で桝永学芸員がいくつか見つけていたのですが、さすが子どもたち、下見時よりも多くの種を見つけていきます。
ほって置くと、いつまでも水の中で網をふるっていそうなので、時間を見て、捕れた生きものの紹介へ。



水生昆虫は、カワゲラやカゲロウ(フタスジモンカゲロウ)、トビケラ(アオヒゲナガトビケラ)、オニヤンマ、コオニヤンマ、コヤマトンボ、ニホンカワトンボ、コシボソヤンマのヤゴ、タイコウチ、アメンボなどが捕れました。
また、魚類は、カワムツ(稚魚がいっぱい)、ドンコ、ヨシノボリ、カマツカ、メダカ、ドジョウが捕れました。
貝類は、カワニナ。
両生類は、ウシガエルのオタマジャクシ(後足が生えかけだったり、まだだったり)、アカハライモリが捕れました。
ヌマエビもいました。

昨年の台風の影響で、川の景色も大きく変わりました。水の生きものたちの様子も変わり、ドジョウやカマツカが減ったとのこと、また大きさも小さいものが多かったように思われました。
今年の夏を経て、再び生きものが帰ってくることを期待します。

水生昆虫の種を見ると、きれいなところに住む種が多く捕れ、子どもたちがいつも活動している天神川の環境が美しく保たれていることが分かりました。

生きものを同定した後、顕微鏡で観察し、スケッチしました。


水の中ではあっちへこっちへと動きまわっていた子どもたちも、顕微鏡をのぞくと、その世界に集中していました。
ヌマエビのドアップにびっくりしたり、オタマジャクシとメダカとカワムツの眼の構造の違いに気づいたり、ヤゴの触角の様子を観察したり、アカハライモリのお腹を観察しようと悪戦苦闘したり。。。
生きものの不思議にたっぷり浸っていました。



幼児から中学生までが活動し、さらに高校生や大学生がスタッフとしてお手伝いくださったりと、縦のつながりも大事にしながら、地域の自然を大好きになる子どもたちが育っています。




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