そよかぜ「きまぐれ通信」2014年11月21日号
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滋賀の環境学習メールマガジン(2014.11.21発行)
そ よ か ぜ 「きまぐれ通信」
発行:琵琶湖博物館 環境学習センター
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(号外)環境学習に関する情報を、きまぐれにお届けします
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1. ビワマス博士・桑原所長のコラム
2. 11月から12月の参加イベント
3. 博物館・講座、など
4. 助成金・募集、など
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予約などについてご確認の上、各イベントにお出かけください。
「淡海こどもエコクラブ活動交流会12/14(日)」@琵琶湖博物館
毎年皆さんが期待に満ちた顔でご来館くださります。今年もさらに
いい顔で来てもらえるように、楽しんで学んでもらえる企画を練って
います。お楽しみに!
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| 1 + ビワマス博士・桑原所長のコラム
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ビワマスの漁獲量
これまでにも何度か書きましたが、11月中旬になりビワマスの産卵期もい
よいよ佳境に入っています。これを読んでおられる方の中には、産卵行動中
のビワマスをご覧になった方もおられるかもしれません。
さて、このビワマスですが、記録が残る1895年(明治28年)からの漁獲量を
調べてみると、戦前まで毎年平均約80t獲れていました。明治時代の文献に
も、毎年二万貫(一貫は約3.75kg)獲れるという記載があります。戦中戦後に
かけては記録がありませんが、その後の1949年以後漁獲量は急減し、1960年
代以降現在まで平均漁獲量は約27tと低迷しています。今と違い、動力船や
ナイロンの漁網をふんだんに使えなかった時代には、秋産卵のために岸辺に
寄ってきたり河川を遡上してきたビワマスが、主要な漁獲対象となっていた
のだろうと想像されます。それでも、毎年平均80t漁獲されていたというこ
とは、それなりにルールを決めて獲り過ぎないような工夫がされていたので
しょう。戦後に急減した原因ははっきりしませんが、戦中戦後の食糧難の時
代、おそらく多くの人たちが川に上ってくるビワマスを捕まえて飢えをしの
いでいたのではないでしょうか。この影響が出ていたと考えると理解しやす
いように思われます。
現在、滋賀県漁業協同組合連合会が中心となって、ビワマスの増殖事業が
なされています。それにもかかわらず、漁獲量は思うように増えていません。
産卵場所となる河川環境の悪化や、密漁などがその大きな原因の一つと考え
られます。将来に向かって、たくさんのビワマスがすめるような環境を作っ
ていきたいものです。
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