馬淵小学校で、流域治水の取組み

BIWAちゃん

2014年12月05日 18:48

こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
寒いですねー。急に寒くなって、体が縮こまってしまいます。

今日は、大事な「防災」について。

先月の11/21に、近江八幡市の馬淵小学校の馬っこフェスティバルで行われた4年生の「子どもハザードマップ」の発表を見学させてもらいました。

こちらは、滋賀県の土木交通部流域治水政策室が、小学校と連携して実施した一連の授業の成果発表です。
まず9月に近くの川で自然観察をしながら、川の流れの強さや危険について知ることから始められました。
そして、川と地域の関わりについての授業を、土木の職員が専門的に話をして、次の調査のノウハウを子どもたちが学びます。
その後、子どもたちが通学路別に分かれて、実際に台風や増水時に危険となる個所を調査して、模造紙に写真とコメントを貼り付けていく作業をされました。

そして、今回のフェスティバルでの発表となりました。


通学路別に、作成した子どもハザードマップを示しながら危険な所などを発表してくれました。




マップには、どこの溝がどれくらいの深さか、写真で見れば一目でわかるようになっています。
メジャーや定規で測っていては、一目では分からなかったと思います。
土木の技術者が教えるからこそ、測量用の赤白ポールで、深さ、幅が一目了然になるかと思います。


マンホールの危険や、昨年度に水があふれた所なども紹介していて、実際に水害が起こらないと気づかない隠れた危険についても調べています。


また、危険だけでなく、水害時にも重要となる湧き水についても調べています。


発表は、途中クイズも入っており、子どもも保護者も学ぶことができるように工夫されていました。


こちらは、昨年の水害の状況を写真で発表していました。
また、この地域では昭和28年の台風で日野川が決壊し、村へ来ていた旅劇団の一座の人々が洪水に巻き込まれて亡くなるという史実についても紹介していました。



会場では、子どもたちのハザードマップを元に作成したマップや、県発表の地域の「地先の安全度マップ」も貼りだしており、子どもたちの発表を見に来た保護者の方が改めて地域の安全と危険を考える機会となっていました。

水害の歴史や防災については、本来は代々つないでいかなければいけない経験知なのですが、最近は新興住宅の方もおられたり、核家族化も進み、伝えられていないのが現状かと思います。
しかし、今回地域の方が子どもたちと一緒に調査をしたり、今回の発表を受けて水害の歴史を体験しておられる地域のおじいさんがコメントされたりと、地域の水害の歴史やこれからの防災のあり方がつながる機会になっていたように思います。
授業をつくる先生方や県庁の方は大変かと思いますが、ノウハウが蓄積され、すべての小学校区で子どもと地域の人が防災を学び次の世代に伝えていくようになることを期待します。

この一連の取り組みと滋賀県の安全度マップ公開と条例について、報道ステーションで先日放送されたとのことでした。
(実は何度か他のニュースで飛んでしまっていて、半ばあきらめ気味でした。しかしやっと放送してくれました。)
ホームページでその放送内容を見ることができます。
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/feature/detail.php?now_page=1

滋賀県のこの取り組みが、防災、減災につながっていきますように!



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