淡海こどもエコクラブ活動交流会2014の報告です
こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
12/14(日)に、琵琶湖博物館にて、今年度の「淡海こどもエコクラブ活動交流会」を実施いたしました。
当日は、160名以上の子ども達とサポーターの方が集まってくださり、とっても賑やかな交流会となりました。
※こどもエコクラブって?・・・幼児(3歳)から高校生までならだれでも参加できる環境活動のクラブです。子どもたちが、人と環境の関わりについて幅広い理解を深め、地域の環境保全活動の環を広げることを目的にしています。
滋賀県では、140以上のクラブで、約5200名の子どもたちと500名以上のサポーターが活動をしています。
今回の参加クラブは13団体。昨年と比べ4団体も増え、交流会への初参加クラブも4クラブありました。
写真いっぱいですが、一挙に紹介します。
●トップバッターは、「ぼてじゃこワンパク塾」さんです。
お魚好きの子どもから大人までが、体験教室やビオトープでの保護活動などを実践しておられ、また畑でのサツマイモ栽培・焼き芋など交流の場もつくっておられます。
各クラブは5分~7分程度で発表し、その後参加の子どもたちやサポーター、審査委員などから質問を受けて、さらに詳しく活動を紹介したり、活動時の楽しい思い出や活動への熱い思いなどを語ったりします。
初めての交流会出場とのことでしたが、緊張せずに、審査委員長の琵琶湖博物館篠原館長からの質問にも、すらすらと答えておられました。
会場では、持参された活動紹介のポスターや、壁新聞を掲示しました。
発表だけでは、分からない細かなことや、子どもたちが描いた魚の絵など楽しさあふれる新聞です。
●2番目は、アイキッズ~エコアイディアキッズびわ湖~さんです。
昨年に引き続いて、滋賀の伝統食にこだわって、とっても面白い活動をされています。
会場の参加者からも質問の手があがります。交流会ですので、たくさん!を持ちかえってくださったかな。
お互い刺激を受けて、これからの活動の参考にぜひしてくださいね。
とても興味深い活動ですので、審査委員の辻村さん(MOH通信編集長)からも質問です。
9月に琵琶湖博物館に来られた時には、滋賀の大豆を使っての丁稚羊羹づくりやお味噌汁づくりなどをしておられました。
今回の交流会での発表の様子(早いですね!)や以前の活動の様子をブログにうまくまとめておられます。
アイキッズのブログをご覧ください。
アイキッズさんの壁新聞。黒字に白や蛍光の文字で、見やすいです。
そして、活動内容が本当にたくさん盛り込まれています。
今年、ESD大使として活躍されたことなども大きく書かれています。
●3番目は、油日小学校エコ委員会さんです。
エコンジャーが登場する劇で、活動紹介です。
サングラスを掛けて、最初は悪役?と思ったのですが、いやいや正義の味方です。
学校でもエコ委員会の啓発劇で登場しておられるようです。エコンジャーの活躍に期待しています。
学校にあるビオトープでは、甲賀地域の特性を活かして、地元の製薬会社の協力で薬草園を作っておられます。
地域性をエコ活動に取り入れてくださる点が素晴らしいですね。
壁新聞も、本当にたくさん写真やコメントを入れて、多くの活動を紹介しておられます。
これら全部をステージで発表すると1時間はかかるでしょうね。
5分程度だけというのがもったいない位です。
●4番目は、ゆ~たん 湯田小学校 自然クラブさんです。
とても寒くて湖北は雪?と思うような中、来てくださいました。
フローティングスクールなど、琵琶湖学習を中心に発表してくださいました。
審査委員の河合さん(滋賀県総合教育センター参事)からも質問が来ます。
審査員の皆さんは、子どもたちの活動をちょっと深く聞き、また今後の活動へのヒントも提供したり、素晴らしい所を褒めたりしながら、質問してくださりました。
●5番目は、たまて林の会さんです。
ウクレレを引きながらの登場で、場が和やかになります。
昨年は、ステージで走り回っていた子どももいましたが、今年はバッチリ!自分たちで話す原稿を考えて発表してくださいました。(1年でこんなに成長するんですね!子どもたちにビックリ!)
壁新聞では、楽しい様子をどーんと紹介してくださっています。
発表にも、壁新聞にも楽しさが全面に出ています。
「たまて林に行ってみたいなぁ」と思う活動紹介でした。
●6番目は、渋川小学校 生き物学習実行委員会さんです。
こちらは、学校全体で「渋川生き物絵図」や「渋川いきものがたり紙芝居」にまとめたりと、ESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでおられます。ちなみに、渋川小学校では、ESDは
E・・・いいまち
S・・・しぶかわ
D・・・だいすき
と読むそうです。難しい言葉より、いいまち しぶかわ だいすき の方がしっくりきます。自分たちの街を大好きな街にするエコ活動です。
未来の教員となる滋賀の教師塾のお兄さんお姉さんからも、活動への質問やいいね!の言葉がありました。
教師塾からは、8名の大学生が参加しくてくださったのですが、皆さん「こんなに環境活動がんばっている子どもたちがこんなにいるなんて、知らなかった」「地元のことをもっと知りたい」と感想を話しておられました。
学校でも、地域でもいろんな環境活動で、子どもたちを元気にする教員になってほしいですね。
●7番目は、大津市子ども会ジュニアリーダークラブKIDSさんです。
昨年度は大賞を受賞され、東京での全国大会で発表されました。
小学生の活動が多い中、中高生が活動しておられることがとてもうれしいです。
そして、自分たちのための活動ではなく、子どもたちのために琵琶湖を知って欲しいと思って、「びわ湖エコフィッシング」と称して、外来魚を釣り、解剖したり、フライの試食などをされています。
これからも、たくさん楽しい企画をしてたくさん学びの機会を作ってくださいね。
●8番目は、おやおや?浜保クラブさんです。
小さな子どもたちが、勢ぞろいして、踊りながら歌を披露してくれました。
その歌と踊りで今年1年の活動内容が分かります。
かわいいダンスに、会場もいい雰囲気です。
そして、子どもたちの活動は、生き物を育てながらその循環を知ることで、命について子どもたちが体験から分かっていくようになっておられました。
辻村審査員からも、小さな子どもたちが命をテーマに活動していることを評価しておられました。
●9番目は、ホタルの学校さんです。
大津市南郷を流れる千丈川でのホタルの保護活動や啓発活動などを紹介してくださいました。
ホタル俳句も紹介してくださいました。17文字に込められたホタルへの思いがきらっと光る俳句です。
活動の紹介パネルも出されました。
●10番目は、多賀町アストロクラブさんです。
宇宙を見ながら、足元のゴミ拾いによる清掃活動や啓発活動も行っておられます。
また、東日本大震災で被災した富岡町の子どもたちとも交流しておられます。
望遠鏡をのぞきながら、世の中全部を見てくださっています。
アストロクラブのゆるきゃら、スターガちゃんも毎年来てくださっています。
壁新聞は、それぞれ分担して一生懸命書いてくださった新聞です。
とても見やすくて分かりやすいです。
●11番目は、瀬田北中学校 科学部さんです。
長年続けておられる長沢川の水質浄化に取り組んでおられます。
今年は、昨年の先輩から引き継いで、水車で酸素を送り込んで、浄化しようという活動をしておられます。
中学生ならではの科学的な指標を用いて、環境を計測しておられます。
先輩から後輩、そしてまた後輩へと活動を続け、少しずつデータを蓄積して、毎年バージョンアップして来てくださるのがすごいです。
壁新聞も中学生がパソコンで作ったのかな。環境でもITでもドンドン進んでいますね。
●12番目は、いきものみっけ寺子屋さんです。
里山で、いきもの大好きな子どもたちが、田んぼや畑などでの作物づくりや、生き物観察などをしておられます。
「いきものみっけファーム」は、環境省の「いきものみっけ」から派生した活動で、いきものみっけ寺子屋さんの活動は滋賀の代表的な活動として、全国へ紹介されています。
活動紹介のポスターも楽しそうです。野菜や米の収穫の喜びにあふれています。
●最後の13番目は、NPO子どもネットワークセンター天気村こんぺいとクラブさんです。
ひょうたんを見つけた子どもたちが、近所の方に教えてもらいながらひょうたんの謎を解いていく活動です。
ひょうたんダンスも披露されました。
昨年もそうでしたが、子どもたちの手書きの大きなダンボールでの紹介や、歌や踊りなどで活動を紹介しておられる工夫に脱帽です。
子どもたちも発表するのが、楽しそうです。この交流会を楽しみにしてくれていたのかなぁ。うれしいです。
天気村さんのホームページでも今回の発表について報告してくださっていますので、ぜひご覧ください。
というように、13クラブの発表を行い、午後はオプションプログラムタイムです。
博物館の自由見学のほか、今回は4つの体験を設けました。
●1つ目は、博物館のはしかけグループ「ほねほねくらぶ」さんです。
シカなど、大きな獣の骨に触れて、その構造を考えながら、正しい場所に並べていきます。
小学生も中学生も、普段はじっくり触れることのない骨。その形や場所に、ちゃーんと意味があることが分かります。
生命の神秘ですね。
●2つ目は、地球温暖化防止活動推進センターの推進員さんによる「火おこし体験」です。
地球温暖化や火とエネルギーの関係を学んで、まいぎり式やゆみぎり式で火おこしです。
寒い中でしたが、体を動かして必死になると、温かくなってきて寒いことを忘れてしまいます。
こんな大きな火おこし器も持参され(手づくりだそうです)、親子や友だち同士で火おこしです。
上手に火だねを作って、空気を送ると、炎がボワッと。成功しました!
●3つ目は、環境学習センター布川さんによる「ヒノキのバスボムづくり」です。
博物館のヒノキの木から抽出したエキスと、重曹を使って、お風呂でシュワシュワする入浴剤づくりです。
実習室には、いい香りが充満していました。
みんなお風呂好きなんですね。いいお土産になったかな。
●4つ目は、博物館の元専門学芸員の草加さんによる「森の観察会」です。
寒いので、参加者は少なかったのですが、その分たくさん森の植物について教えてもらったり、イチイガシのドングリやクルミを拾ってその場で炒って食べたりと、参加の方は大満足だったそうです。
プログラムの合間には、壁新聞を見ながら、サポーターの皆さんが情報交換されるなど、交流も広がっていました。
来年の新しいアイデアのヒントがここから生まれるかな。
と、オプションプログラムで皆さんが楽しんでくださっている間に、審査員により選考が行われました。
滋賀県知事大賞は、「渋川小学校 生き物学習実行委員会」の皆さんでした!
子どもたちは、緊張しながら委員長から賞状を、平和堂財団さんから副賞を受取りました。
また、奨励賞は、
・ぼてじゃこワンパク塾さん
・アイキッズ~エコアイディアキッズびわ湖~さん
・油日小学校エコ委員会さん
・おやおや?浜保クラブさん
・多賀町アストロクラブさん
そして、活動賞は、
・ゆーたん 湯田小学校自然クラブさん
・たまて林の会さん
・大津市子ども会ジュニアリーダークラブKIDSさん
・ホタルの学校さん
・瀬田北中学校科学部さん
・いきものみっけ寺子屋さん
今回は審査員特別賞が設けられ、
・NPO子どもネットワークセンター天気村こんぺいとうクラブさん
が受賞されました。皆さん、おめでとうございます!
最後に、環境学習センター所長のビワマス博士桑原所長と一緒に、「また来年もがんばるぞー」と気合をいれて終了しました。
提出してくださった壁新聞は、お正月から2週間ほど、琵琶湖博物館の新空間(無料で見られますよ)で、展示いたします。ぜひ見に来てください。
また来年、みんなが自信を持って発表して、お互いに刺激し合って活動のヒントをもらえて、さらにやるぞ!元気になる交流会を作りたいと思っていますので、ぜひご参加ください。
また、活動の相談もいつでもどうぞ。博物館の学芸員、地域の専門家、活動のアイデアなどいっぱい提供します。
最後になりましたが、参加してくださった子ども達とサポーターの皆さん、応援してくださった方、審査員の皆さん、協賛してくださった平和堂財団さん、体験コーナーでお世話になった地球温暖化防止活動推進員の皆さん、ほねほねくらぶさん、滋賀の教師塾の皆さん、博物館スタッフの皆さん、すべての方に感謝いたします。
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