山女原(あけびはら)で棚田ボランティアしてきました
こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
少し前になりますが、5/23(土) に甲賀市の山女原(あけびはら)地区へ、棚田ボランティアへ行ってきました。
その様子を紹介です。
まずは、集合場所の「あけびはら山の子はうす」へ。
地域の方々と、意外な生きものが迎えてくれました。
地域のアイドルとなった羊さん2頭です。
なぜ羊いるのか?は、後ほど。ちゃんと意味があるのです。
今回の棚田ボランティア活動は、田んぼ周辺の草刈りです。
地域の方と、参加者、棚田ボランティアを進めている滋賀県農村振興課の方、20名弱で、農道の周囲と、ひまわりを育てる休耕田周辺の畔の草刈り、そしてひまわりの種蒔きをしました。
私も、草刈り機を使ってへっぴり腰でがんばりました。
羊さんたち、草刈り機の音も気にせず、興味津々で見ています。
農道脇の草刈りの成果。きれいになりました。
さてさて、なぜ羊さんたちがいるのかと言いますと、彼ら彼女らは、私たちと同じ「草刈り」が仕事なのです。
滋賀県畜産センターからやってきた2頭は、山女原(あけびはら)地区で取り組んでおられるオニグルミづくりに貢献しています。
地区では、休耕田でオニグルミを栽培し特産物として売り出そうとがんばっておられます。
そのオニグルミの木がすくすく育ち、実がなるように、羊たちがせっせと雑草を食べてくれているのです。
導入前は、臭いがするのではないかなど、地区で不安の声もあがっていたそうなのですが、いざやってくるとかわいいしぐさや人懐っこさに、すぐに地区のアイドルとなりました。
「名前つけてやらんとあかんなぁ」と声が出ています。
「増やして、ジンギスカンにしようか~」誰ですか!そんなこと言ってるのは!
(畜産センターで、増えないように、手術を受けているそうです。安心。)
山女原は、30戸弱の集落ですが、住んでおられるのは22、3戸と、過疎が進んでいます。子どもたちも中高生のみと村は寂しくなる傾向です。
そんな中やってきた羊たち、村のアイドルというか、皆の癒しにもなっているようです。
昼食を皆さんと一緒にいただきました。今回はカレーと地域のお惣菜。前回は、鹿カレーだったそうです。
食べながら、お話が弾みます。
(村で3haほどオニグルミを栽培しておられます。草の間の木がオニグルミです。間には、雑草を抑制するマメ科の草を蒔いておられます。)
オニグルミを栽培して2年目、昨年はほんの少し実がなったそうで、これから大きくなるのに期待しておられます。
できるだけ、クルミが大きく簡単に取れる木を選んで植えているそうで、今後クルミが採れるようになれば、クルミそのものや、加工品、またクルミの殻などを販売できるようにしていきたいとのことです。
オニグルミを選んだのも、取り組んでいる所が少ないのと、クルミの実は鹿や猿などが食べにくく獣害に合わないことなどで選択されたそうです。
クルミパンやクッキーなどの加工食品やクルミ油の抽出などできるのではないかと、村の人同士がアイデアを出しておられました。
昼食後村を歩きました。
とても静かな集落です。眼前には休耕田が目立ちます。
都市からとても遠いと思われがちな山女原地区ですが、昔は主要な交通の要所、安楽越えの峠道が通り、にぎやかな場所だったそうです。
また、京都まで新名神高速道路で1時間、そして名古屋までも1時間。実は現代でも交通の便利な所でもあるとのこと、大津や草津、京都と名古屋のちょうど間にあるのです。
「京都と名古屋に便利に行ける場所やで、ぜひ若い人が移住してきて欲しい!」と村の方は話しておられました。
「空き家はいっぱいあるし、仏壇がどうのこうのと小難しいこと言ってる場合ではないので、ぜひ来て!」とのことでした。
圃場整備が進んだ棚田は、ちょうど田植の時期でした。
草刈りをしていい汗を流して、地域に貢献できる喜びと、人と地域の面白さや不思議さなど地域発見の魅力が、棚田ボランティアには詰まっています。
ぜひ、皆さん棚田ボランティアへご参加ください。
県内各地で行われている棚田ボランティア活動について、詳しくはおうみ棚田ネットをご覧ください。
次は、米原市の小泉地区、曲谷地区の棚田ボランティアを報告しますー
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