曲谷まがり君の里で、棚田ボランティアと地域探検

BIWAちゃん

2015年07月21日 10:39

こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。


突然ですが、「曲谷まがり君」です。
よく見てください、眼が曲、鼻と口とちょび髭で谷となって、棚田の美味しいご飯を持っています。
棚田米のおしゃれな米袋に描かれています。

今回の棚田ボランティアは、姉川沿いにのぼった曲谷(まがたに)地区です。
伊吹山の麓、姉川沿いには、いくつか集落があり、先日の小泉地区からさらに、大久保、下板並、上板並、東草野、吉槻、甲賀とあって、曲谷地区となります。そして上流には姉川ダムがあり、さらに上の集落は甲津原となります。


曲谷集落には、2年前に博物館でお世話になった切り絵作家の早川さんもお住まいで、お会いしてびっくり。
早川さんら地域おこし協力隊員の方など曲谷へ移住して来られた方もおられます。
(曲谷まがり君のデザインは、早川さんの奥さまが描かれたとのこと。こんな所にも新しい力が発揮されています。)

今回の棚田ボランティアも草刈りです。そう梅雨前は草刈りの季節です。
少しずつ慣れてきた草刈り機片手に、棚田へ。

曲谷は、姉川ダムが出来た際に、棚田が整備されて1枚1枚の田が大きくなりました。そのため田の段差が大きくなり、急斜面の大きな畔が出来ました。その畔をアジサイが咲き誇る景観にしようとしておられます。
今日の作業は、そのアジサイの合間の草刈りです。


急斜面なので、草刈り機で刈るのにも、平面以上に慎重になります。
アジサイを切らないように、かつ根元から草を刈るようにと、腰や足を安定させて、草刈り機を振ります。
皆さん上手に刈って、ドンドン進まれるのですが、私はとにかく安全策で、ボチボチです。


時折休憩しながら、進みます。草刈りが進むと田と畔が美しくなるのを感じます。


少しずつ咲き始めたアジサイと曲谷の集落です。
整備されて大きくなった田ですが、一方で過疎や減反も進み、耕作放棄された田も増えているとのこと。
集落営農でがんばっているそうですが、すべての棚田に稲を植えるのは難しいそうです。
短い作業でしたが、汗をたっぷりかきました。腰と足の筋肉がキテます。やはり斜面の草刈りは難しいですね。


草刈りで、カヤネズミの巣を見つけました。
こんな発見もあります。


集落の方と参加者みんなで昼食を取りながら、オコナイのビデオを見せてもらいました。
姉川ダムの整備時だそうで、「あのじいさんは、もうおらへんなぁ」とか「このボン、あそこの兄さんちゃうんかいな」と笑いが起きていました。
私は、湖北地域の”オコナイ”という言葉は知っていたのですが、どんな行事なのか知らず、何を行う?という程度でしたので、ビデオを見ながら、「これ何?」「なんでこんなことしてるの?」「今なんて話してはった?」と不思議ばかりでした。集落ならではのお祭りや行事が残っている良さを教えてもらいました。

曲谷は、何といっても”石臼”の里です。
姉川の集落でも、曲谷だけで石臼用の石が採取され、加工もされていました。
(姉川上流の集落は、すべて石臼の集落と勘違いしていました。現地に行って教えてもらえることばかりです)


曲谷の石臼は、他の石臼と異なる加工をしてあり、穴が四角いのが特徴です。
普通は丸いそうで、四角い穴があれば、曲谷産だと分かるそうです。

ビデオを見た後は、曲谷の集落探検です。ビデオに出ていた神社やお寺も通ると、「あーこれがさっきの!」と納得。


白山神社には、乳銀杏があります。この乳銀杏だけでなく、巨木が立ちならんでおり、小さな神社なのに、存在感がたっぷりです。


そして、神社には、美しく冷たい水が湧いています。
神社だけでなく、曲谷の集落には各地で水が流れてます。
一般的に伊吹山山系からの水は、硬水で飲料にはあまり向いていないのですが、曲谷の水は軟水です。
「硬水ばかり飲んでたら、お腹に石がたまるで~」「うちらの水はだいじょうぶなんや、ええ水やで」と。
豊かな美しい水がある地域、そんな自信が地域の方の言葉から感じられました。
姉川沿いのどこからかは分かりませんが、下と上では湧いている水に違いがあるようです。
硬水と軟水の境目を知っている人がいれば教えてください。


あるお家の階段です。
よく見てください。階段が石臼で出来ています!なんと贅沢な!
これくらい石臼を生産しておられた地域なんですね。

棚田ボランティアに来たのですが、曲谷地域を楽しむエコツアーに参加したような1日でした。
地域の方に、地域の良さを教えてもらえる、魅力たっぷりの棚田ボランティアでした。

ぜひ、皆さんも棚田ボランティアへ行ってみましょう!地域の良さや楽しみがいっぱい詰まっています。
詳しくは、こちら おうみ棚田ネット へ



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