生ごみが宝の山に!段ボールコンポストで生ごみを減らそう!
こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
先日、草津市ごみ減量推進課さん主催の「段ボールコンポスト講座」に参加してきました。
今年度の6月末から9月頭まで、草津市では各市民センターで段ボールコンポスト講座が開催されています。
今回は、8/6(木)の常盤市民センターでの様子を紹介します。
まずは、はじまりの挨拶から。
今回は参加者が少なかったのですが、その分たっぷりと段ボールコンポストについてや生ごみ処理について聞けそうです。
今回、講師として運営してくださるのは、市民・生ごみリサイクルプロジェクトさん
普段は、近江八幡市を拠点に活動しておられますが、今回草津市との協働プログラムとして手を挙げて、草津市内13市民センターを回って、生ごみの減量に貢献してくださります。
机に張られた「ごみの山を宝の山に」がまずは目に入ります。
ごみはごみでしょ、宝になるの?と思いますが、どういうことなのでしょうか?
疑問に思った所から、お話が始まります。
地球温暖化と生ごみリサイクルとあります。
地球温暖化という世界のことと、普段の生活のごみと、どうつながるのでしょうか?
地球温暖化が進むと、地球、それから日本、そして私たちの暮らしはどうなるのか、また、その原因となっている二酸化炭素を始めとする温室効果ガスはどこから出てきているのかを、スライドを使って教えてくださります。
そして、私たちの日々の暮らしが大きく地球温暖化に影響していること、ごみを減らすことで二酸化炭素の排出を大きく減らす効果があることへとつながっていきます。
なんと草津市から排出されるごみの量は、年間38,800tで、そのうち焼却ごみは87%で、その焼却ごみの約半分が生ごみだそうです。(38,800t×0,87×0.5=16,878t 生ごみは1万7千トンほども出ているのですね)
そして、生ごみの重量の80%は水分であるとされ、それを焼却処理しているのが現状です。
お金を使って、エネルギーを使って、「水」を焼いてるようなものです。
なんともったいないことなのでしょう。
一般家庭で考えると、1年間で約1t強のごみを排出しており、その内約350kgが生ごみとなります。
水分の塊である生ごみを費用を掛け、また環境へ負荷をかけて焼却するのではなく、堆肥として、菜園や花壇で利用できるよう資源の循環を行うことが必要と考えられます。
そこで、市民・生ごみリサイクルプロジェクトの方々は「ごみを宝にしよう!」と活躍しておられます。
各家庭で簡単な段ボールコンポストをつくり、生ごみを減らし、さらに出来た堆肥を畑や花壇で利用して、美味しい野菜やお米、花を育てて、還元するような仕組みを提案されておられます。
各家庭への普及はもちろん、市民農園や学校での体験学習を行い、また機械を導入して病院や事業所での実施とつなげておられます。
段ボールコンポストは、簡単に言うと、段ボールの中で、ピートモスやもみ殻くん炭の基材に米ぬかを入れると、生ごみを分解する微生物が元気に働いて、生ごみを堆肥にしてくれるものです。
このグラフは、段ボールコンポストの温度を測ったもの。
生ごみをいれると、微生物が働き、温度が上昇していくのです。ということは、温度があがれば微生物が働いている証拠。(生ごみをむしゃむしゃ食べているイメージです)
ということで、段ボールコンポストの作り方講習です。
① 段ボールを用意(できるだけ分厚めのもので。ミカン箱が最適)。草津市では販売もしておられます。
② 基材となる、ピートモス、もみ殻くん炭を袋の中で混ぜ、さらに米ぬかを加えて、少し水をいれて混ぜます。
③ 混ぜたものを段ボール箱へ入れて、段ボールの下には通気性を確保するために、網を敷いたり、園芸用のかごなどを置いたりします。
④ 虫が入るのを防止するために、ネット(今回はネット代わりの布団袋でした)をして、風で飛ばないようにかごを置いておきます。
以上でできあがり、なんと簡単!
あとは、微生物にお願いするだけです。すぐに発酵が進むよと言う方と、1週間ほど置いた方が良いという方に分かれていましたが、どちらにしても、温度があがるとOKのようです。
今朝、生ごみをいれてきた段ボールコンポストを見せてもらいました。
なんと!温度が40度以上になっています。触れると温かい!砂蒸し風呂のようです。
今朝、入れたという生ごみはほぼ見当たりません。既に分解されてしまったようです。
触っても、ベトベトしません、少し湿り気のある土のようです。臭いもまったくありません。
こんな様子です。たった数時間で分解されてしまうんですね。
生ごみをうまく分解させるコツを聞きました。
・夏は気温が高いので微生物が働きやすく、夏から始めるのがベスト。
・生ごみは小さいほど、良い。ハサミで切るのが楽ちん。
・1日に、およそ500g程度の生ごみが分解できる。だいたい4カ月使える。
・微生物は好気性なので、生ごみを入れなくても1日1回かき混ぜると良い。
・冬は分解はゆっくりと進むので、少し天ぷらの廃油や米ぬかを足したり、コンポスト自体を保温すると良い。
・微生物が働いていれば、臭いはないが、臭いが出たら、しばらく生ごみの投入はやめて、かき混ぜると落ち着く。
プロジェクトの皆さんは、それぞれ温度を測ったり、生ごみを比べてみたりと研究熱心で、冬は自宅内に持ち込んで、毛布をかけて可愛がっている方もおられます。
発酵の微生物を可愛がっておられるんでしょうね。マンガ「もやしもん」のように菌が見えているかも!?
こんな簡単な装置で、生ごみを減らせるんです。
「明日ごみの日や、ちゃんと捨てないと」とか、「夏場は、生ごみから臭いがしていややなぁ」、「生ごみが腐ってるかも…」など皆さん、日々のごみ捨てに追われていませんか?
段ボールコンポストを始めると、ごみ捨ての脅迫観念がなくなります。そして微生物が分解してくれるのが楽しみになり、さらに、できた堆肥で野菜や花が育てられるのです。
マイナスからプラスへ大逆転です!
皆さんも、段ボールコンポストはじめて見ませんか?
(と紹介した私も、自己流でやっていますのと、今回も1つセットを購入して、比較してみようと思います)
草津市さんでは、2015年8月30日(日)に、草津市役所にて、リサイクルフェア草津2015を開催されます。
その会場でも段ボールコンポスト講座を実施されますよ。
ぜひ、ご来場ください。
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