くつきの森で未来の森づくり
こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
ちょっと遅くなったのですが、高島市朽木の森林公園くつきの森での体験の様子を報告します。
森林公園くつきの森(NPO法人麻生里山センターさんが管理しておられます)には、広い森があるのですが、整備がされなくなったり、獣害であったり、外来植物が進出してきたりと、課題を抱えておられます。
その森を整備しようと、一昨年度より、「未来の森づくり」として整備活動を行っておられます。
今回はその9回目です。
参加者の方は総勢17名。お子さんとお父さんの親子やご夫婦、お一人、グループなど様々です。
しかも、なんと遠くは名古屋、明石、豊中、大阪からも来ておられます!
皆さん遠くからでも、くつきの森が好きだそうで、遠さを感ぜずやってこられています。
そんな魅力いっぱいの森での作業です。
まずは、安全用具を着けて、作業内容の確認です。
くつきの森のある、旧朽木村麻生の森は、以前はホトラ山がたくさんありました。
ホトラ山とは、茅葺き屋根などに用いられる萱場の山のことです。
しかし生活習慣やエネルギー転換のため、山に入ることがなくなり、荒れていきました。
くつきの森の一部も、そのホトラ山に戻そうと作業をしておられます。
また、近年は外来植物もやってきています。シンジュもそのうちの一つで、成長が早く2,3年で高木となり、さらに近隣へ種を飛ばしてドンドン増えてしまいます。シンジュが増え始めた河川敷きなどでは、シンジュの木だらけとなっている場所もあるそうです。
くつきの森でもシンジュが増え始めたので、それを中心に伐採しようとなりました。
細長く何本も立っている木がシンジュです。これらを伐採します。
くつきの森をフィールドに間伐活動などを行っている薪ネットのメンバーさんは、チェーンソー持参で参加されていました。立ち木はチェーンソーで、切った木は手ノコで短く薪にしていきます。
薪ネットさんは、毎月くつきの森で活動をしておられるとのこと。
斜面から運び出すのも一苦労です。
切って運び出して、薪にする。一連の作業をみんなで手分けしてやっていきます。
このシンジュという木。成長が早いだけあって、中身が詰まっていません。柔らかいので、子どもも、女性も手ノコで面白いように切れます。意外と作業が早く、苦になりません。なので、薪がアッと言う間に積み上がっていきます。
午前中の成果。たくさんできました。しかし、中身が詰まっていないということは、ストーブで燃やしてもすぐに燃えてしまうかもしれませんね。
お昼ご飯は、大きなユリの木のそばで。くつきの森のシンボルツリーです。
ゆったりとした時間が流れます。昼寝がしたくなるいい天気、いい場所です。
お昼からは、さらに奥に入ってシンジュの伐採と薪づくりです。
皆さん、もう慣れたもので、作業が素早いです。
ツリーイングの技術を持っている方がおられ、高い木にロープを使って登り、枯れた枝を樹上で伐採しておられました。
お昼からの成果。この山がもう一つできました。
未来の森づくりなどを通して少しずつ整備が進んできた森です。
たくさんの木を切って、適度に体を動かした爽快感が味わえる未来の森づくりです。
高島もそうですが、人が関わることによって維持されてきた自然が多いのも滋賀の特徴です。
近年山から人が消えて、様子が変わってしまいました。
里山の価値を再構築して、人と自然の良い関係づくりが出来ていくと良いなぁと思います。
森林公園くつきの森では、未来の森づくりの他、観察会やネイチャークラフトなど多くのプログラムを提供しておられます。
ぜひ遊びに、森と関わりに!
関連記事