そよかぜ「きまぐれ通信」2016年3月18日号です!
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滋賀の環境学習メールマガジン(2016.3.18 発行)
そ よ か ぜ 「きまぐれ通信」
発行:琵琶湖博物館 環境学習センター
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(号外)環境学習に関する情報を、きまぐれにお届けします
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1. ビワマス博士・桑原所長のコラム
2. 3月から5月の参加イベント
3. 博物館・講座、など
4. 助成金・募集、など
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予約などについてご確認の上、各イベントにお出かけください。
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| 1 + ビワマス博士・桑原所長のコラム
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簗漁
簗(ヤナ)というと一般には秋口川の流れを竹のすのこで受けて、上
流から下ってくるアユを獲る下り簗を思い浮かべる方が多いかもしれ
ません。こちらは漁とは言っても、観光客を相手にしたものが多く、
郡上八幡の観光ヤナなどが有名です。
一方、滋賀県で行われている簗漁は、琵琶湖から上ってくる魚を獲
る登り簗です。簗にはカットリ簗、四つ手簗、行灯簗などいくつか種
類がありますが、現在行われている簗の多くはカットリ簗で、下流に
向かって扇状に川をせき止め両岸の方にたくさん水が流れるような構
造になっています。魚は、水の多い方へ寄って行く習性がありますの
で、簗で岸の方へとおびき寄せられて、やがてカットリ口という生け
簀の入り口に水と一緒に流れ込んでしまうという仕組みになっていま
す。そのため、一見魚が勝手に獲れるのを待っていればよいだけのよ
うに見えますが、大雨が降ると増水して簗が流されますし、渇水が続
くと水が干上がって簗が傷みます。川は、日々変化しますのでそれに
併せて管理をしなければならず、常に見張ってなければなりません。
とはいえ、琵琶湖の沖に出る漁のように船や大きな網が必要なわけで
はなく、一度設置してしまえば先にお話ししたような管理をして行け
ばよいので、高齢になって他の漁が難しくなった漁師さんが引き受け
ておられることも多いようです。
ところで、琵琶湖に流れ込む川には、春先から順番にいろいろな魚
が遡上してきます。一番早いのはウグイで、3月下旬頃から登り始め、
5月頃まで続きます。少し遅れて4月に入ると、メインの漁獲対象であ
るアユが登り始めます。5月になって初夏の頃になるとハスやオイカワ、
もう少し遅れてニゴイなども大挙して上ってきます。これに併せて簗
は設置されます。川によって設置の時期はいろいろですが、代表的な
安曇川の簗では3月の終わりか4月の初め頃に簗が設置され、アユの禁
漁期が近づく7月の終わりか8月の初め頃まで行われます。簗で獲れる
アユは、川で生活することができるように育ってから上ってきますの
で、放流用の種苗としてそのまま使われることが多かったのですが、
近年では食用や養殖種苗として出荷されることも多くなりました。
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