こんな様子でしたよ!「こだわりの酒づくり体験ツアー」
琵琶湖博物館 環境学習センターの池田です。
2月4日(土)に、環境ほっとカフェ「こだわりの酒づくり体験ツアー」を実施しました。
ちょっと遅くなってしまったのですが、ツアーの様子を紹介します。
紹介と言っても、私は同行できなかったので、同行したスタッフから聞きましての紹介ですので、あしからず。
JR能登川駅に集合し、貸切バスで、岡村本家さんへ
酒蔵に入ると、凜と冷たい空気が張りつめています。
若当主の岡村さんにお話を伺い、皆さんそろいのカッパと帽子を着用し、いざ酒造りの現場へ。
杜氏の園田さんから酒造りの指導を受けます。後ろでは、白い煙がもくもくあがっています。
煙の正体は、大きな釜で蒸し上がった酒米からの蒸気でした。
1つの釜で、麹用や仕込み用など目的の異なる米を蒸します。
吟醸用の米は、きれいに研がれとても小さくなっています。
普段私たちが食べているお米は「炊きます」が、ここでは「蒸します」。
味見したところ、もちもちしたおこわのような食感で、喉につっかえていっぱいは食べられないとのこと。
大きな釜やウィンチを使っての作業ですが、お米1粒も無駄にせず、丁寧に仕事がなされていきます。
酒造りは無駄なものが全く出ない仕事で、米ぬかは油へ、米粉は米菓へ、絞りかすは酒粕へとカタチを変えて利用されていきます。
蒸された米を、袋に入れて、1つ1つ樽へ入れていきます。
樽の高さは2メートル以上の高さ。安全に気をつけながらの作業ですが、酒造りの大変さが腕に伝わってきます。
「製麹室」と書かれた木造の頑丈そうな扉。ここの中での作業とは・・・
当日は、雪もちらつく寒さ。その冷たい酒蔵から、33.7度の製麹室へ。
蒸した米を広げて冷まし、麹菌をふりかけ、丁寧に丁寧にまぶしていきます。
米は熱く、部屋も暑く、腕も背中も疲れるとても大変な作業ですが、美味しいお酒のために手を抜くことはできません。
皆さん、真剣に作業されています。
遊亀亭で、粕汁を中心とした地産地消のお昼を頂いて、岡村さんから岡村本家の酒造りとまちづくりについて伺います。
時折酒屋さんで見かける「杉玉」。一時廃れていたそうですが、復活させたそうです。
また、岡村本家で利用されていない酒蔵を再生したり、古民家の斡旋、滋賀県立大学の学生と空き屋や古い蔵の再生を行ったりと、豊郷の地域を活かしたまちづくりをすすめておられます。
酒蔵には、これまでの岡村本家の歴史を垣間見ることができる民具がずらりと。
以前は、この酒瓶を持って、酒屋さんへ行っていたんでしょうね。
子どもがお遣いで行ったり、途中で瓶を割って怒られたこともあったのでしょうか?
地域で取れた野菜や魚を、必要な分だけ買って、地域で消費する暮らしが想像されます。
再び作業へ。樽へあがり、木の棒で何かしています。
酒樽の底には真っ白い原酒が。かき混ぜて、底に貯まらないようにします。
発酵していい香りがしています。
このまま酔っぱらって、樽に落ちてしまいたい!ほど。
原酒が袋に入れられ、きれいに並べられた木艚。
岡村本家でされている木艚袋搾り(きぶねふくろしぼり)は、機械で絞るのではなく、手作業で絞るからこその味があります。
一つひとつ袋詰めの作業をします。量の調整が難しく、見本のようにはきれいに並べられません。
そして、絞られたお酒を瓶へ。自分だけの絞りたてのお酒を詰めて、お土産にしました。
たっぷりと酒造りを体験させていただきました。
その仕事の大変さも体験しましたが、それ以上に感じたのは、本当に何も無駄にしないこと。
「1粒も無駄にしない」杜氏の園田さんの言葉が印象的でした。
滋賀の美しい水、米、そしてそれらを大事にする人の仕事が組み合わさって、いい酒ができあがることを、目、耳、鼻、口、手の五感全てで感じた体験ツアーでした。
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現在、次の環境ほっとカフェを企画中です。
「水」をテーマに、「環境まちづくり」をじっくり考えられる機会にしたいと思いますので、お楽しみに。
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