ミュージアムカフェ "sunQ” レンズのないカメラで撮る、美なる太陽 岡部達平さん
2014年01月13日
こんにちは。琵琶湖博物館 環境学習センターのまっちゃこと池田勝です。
いつも自然のことばかりですが、今日はアートな世界のお話です。
1/11(土)、東近江市の「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」で行われましたミュージアムカフェ「"sunQ” レンズのないカメラで撮る、美なる太陽」に参加してきました。
これは、探検の殿堂の企画展「燦SUN 未来へ続く生命の輝き」の企画展関連イベントとして実施されたものです。

普段アートと触れる機会がない私ですので、ちょっと緊張してでしたが、お茶や紅茶、コーヒーなど飲みながら、お互い質問や感想をしゃべりながら気楽に参加できますと聞いて、リラックスして参加させていただきました。

今回の講師は、写真家の岡部達平さん。
高い壁いっぱいに大きく写真が映し出され、それを前にまずは岡部さんご自身のことや、なぜ自作のカメラで撮るようになったかなどをお話しくださいました。
・・・

京都住まいで、一年中歩きながら太陽を撮っています。ただ、きれいに撮れたなぁと思う日は、一年で10日くらい、太陽にも表情がありなかなか良い顔を見せてくれる時はありません。
太陽を撮っているカメラは、デジカメでもなく、アルミ缶に針で穴を開けて、廃材を組み立て、フィルムのユニットを引っ付けた自作のピンホールカメラです。
・・・
見せてもらった所、ねじや鉛筆の跡もついて、いかにも手作り感がたっぷり。こんなんで撮れるんかなぁと、写真素人の私は思うのですが、本来のカメラの仕組みとは、レンズ、暗い箱、フィルムの3点があれば良いそうで、この手作りカメラも、針穴のレンズ、廃材の箱、フィルムユニットで構成されていて、ちゃんと撮れるのだそうです。
しかし、デジカメにはない不便さや難しさもたくさんあるとのこと。
・・・
プロのカメラマンは、被写体を見て「こういったものを撮りたい」という欲求があり、それに応えてくれるカメラを求めるものであり、不便なカメラは、なかなかプロのカメラマンには好まれないものです。
では、なぜこのような手作りカメラになったかと言うと。。。
デジカメが出る前は、フィルムカメラで撮影していました。モデルの女性などを撮影したりするのですが、1日で何千枚ものフィルムのゴミが出ます。キレイなものを撮る一方、ゴミであふれる状況があって、そのことに疑問を持ち始めました。そこで、写真家らしく、カメラを自作で作ろうと思い立ち、アルミ缶や廃材を使ったピンホールカメラを作りました。そして撮影して失敗したかと思った写真がたまたまうまく写った太陽だったのです。それから自宅の京都を歩きながら、太陽を撮影していました。
しかし、私の師匠はおっしゃりました。「そんな廃材のようなものでは、人は感動させられない」と。
愛着のある自作のカメラで太陽を撮り続けましたが、自信をなくし徐々に落ち込む時も増えていました。
そんなおり、あるアウトドアメーカーのカタログに掲載されている写真を見て、その方の講演会を聞く機会がありました。
リヤカーに生活道具を載せ、ある動物の保護活動のために移動している写真でした。
私はその講演会で、「なぜリアカーで移動するのですか、車で移動すればもっと効率よく保護が出来るのではないですか?」と聞きました。
すると、講師のリッジウェイ氏(そのアウトドアメーカーの副社長)は「なぜそんなに効率を求めるのか。効率を求める必要はないのでは」と返されました。
その言葉に私は、ずっとカメラで効率を求めて来たのかとドキリとしました。
また彼からは「あなたは、どんな活動をしていますか」と問われました。
私はドキドキしながら、「太陽の写真を撮っています」と、これまで撮った写真を見せたところ、彼は「ファンタスティック!!」と最高の言葉を返してくれました。
そのことで、私は自信を取り戻し、再び太陽を撮るようになったのです。
彼との出会いがなかったら、今の私はいなかったかもしれません。

今、私は企業と共に小学校の体操服をリサイクルする活動もしています。
ある時、太陽を撮っている私の新聞記事を見た、小学校時分の担任の先生から、廃材を利用したカメラや写真について話をして欲しいと依頼がありました。
子ども達に環境について話をしていると、服のラベルを見てリサイクル衣料かどうか確かめることになりました。
そこである子どもが「永遠に捨てない服が着たい!」「おこづかいを貯めて、捨てなくて良い服を買いたい」と話しました。
その言葉に感動して、体操服のリサイクル活動を始めたのです。
ここでも、先生や子ども達との出会いから、活動が生まれました。
そのように、人との出会いから全てが始まったと感じています。
・・・
お話の後、岡部さんを中心に参加者同士が顔を見て、お茶を飲みながら質問や感想などをお話ししました。

参加者の方には、ピンホールカメラで写真を撮っておられる方や、今回の企画展で出展しておられる方などもおられ、ピンホールカメラのおもしろさや太陽の恵みの大切さなど、いろいろな話題が話されました。
その後は、会場に移動して、岡部さんの写真を見ながらのおしゃべり。
会場には、9枚の太陽が展示してあります。

9秒間の太陽からのエネルギーで、全世界で人間が使うエネルギーに相当するそうです。
岡部さんが、太陽の写真を撮るには、1秒間レンズを開けるそうです。
1秒間の太陽×9枚の写真=全世界で使われるエネルギーとなります。
人との出会いから、表現や環境のことへとつながって、今いきいきと話し写真を撮っておられる岡部さんでした。
皆さんもぜひ探検の殿堂で、岡部さんの写真や、他作家さんの太陽の作品をご覧ください。
西堀榮三郎記念 探検の殿堂のHPはこちら
http://tanken-n.com/
企画展「燦SUN 未来へ続く生命の輝き」は、1/11(土)~3/30(日)までです。
探検の殿堂と言えば、南極。

南極と言えばタロ、ジロにも会えます。(噛みませんよ。)
いつも自然のことばかりですが、今日はアートな世界のお話です。
1/11(土)、東近江市の「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」で行われましたミュージアムカフェ「"sunQ” レンズのないカメラで撮る、美なる太陽」に参加してきました。
これは、探検の殿堂の企画展「燦SUN 未来へ続く生命の輝き」の企画展関連イベントとして実施されたものです。
普段アートと触れる機会がない私ですので、ちょっと緊張してでしたが、お茶や紅茶、コーヒーなど飲みながら、お互い質問や感想をしゃべりながら気楽に参加できますと聞いて、リラックスして参加させていただきました。
今回の講師は、写真家の岡部達平さん。
高い壁いっぱいに大きく写真が映し出され、それを前にまずは岡部さんご自身のことや、なぜ自作のカメラで撮るようになったかなどをお話しくださいました。
・・・
京都住まいで、一年中歩きながら太陽を撮っています。ただ、きれいに撮れたなぁと思う日は、一年で10日くらい、太陽にも表情がありなかなか良い顔を見せてくれる時はありません。
太陽を撮っているカメラは、デジカメでもなく、アルミ缶に針で穴を開けて、廃材を組み立て、フィルムのユニットを引っ付けた自作のピンホールカメラです。
・・・
見せてもらった所、ねじや鉛筆の跡もついて、いかにも手作り感がたっぷり。こんなんで撮れるんかなぁと、写真素人の私は思うのですが、本来のカメラの仕組みとは、レンズ、暗い箱、フィルムの3点があれば良いそうで、この手作りカメラも、針穴のレンズ、廃材の箱、フィルムユニットで構成されていて、ちゃんと撮れるのだそうです。
しかし、デジカメにはない不便さや難しさもたくさんあるとのこと。
・・・
プロのカメラマンは、被写体を見て「こういったものを撮りたい」という欲求があり、それに応えてくれるカメラを求めるものであり、不便なカメラは、なかなかプロのカメラマンには好まれないものです。
では、なぜこのような手作りカメラになったかと言うと。。。
デジカメが出る前は、フィルムカメラで撮影していました。モデルの女性などを撮影したりするのですが、1日で何千枚ものフィルムのゴミが出ます。キレイなものを撮る一方、ゴミであふれる状況があって、そのことに疑問を持ち始めました。そこで、写真家らしく、カメラを自作で作ろうと思い立ち、アルミ缶や廃材を使ったピンホールカメラを作りました。そして撮影して失敗したかと思った写真がたまたまうまく写った太陽だったのです。それから自宅の京都を歩きながら、太陽を撮影していました。
しかし、私の師匠はおっしゃりました。「そんな廃材のようなものでは、人は感動させられない」と。
愛着のある自作のカメラで太陽を撮り続けましたが、自信をなくし徐々に落ち込む時も増えていました。
そんなおり、あるアウトドアメーカーのカタログに掲載されている写真を見て、その方の講演会を聞く機会がありました。
リヤカーに生活道具を載せ、ある動物の保護活動のために移動している写真でした。
私はその講演会で、「なぜリアカーで移動するのですか、車で移動すればもっと効率よく保護が出来るのではないですか?」と聞きました。
すると、講師のリッジウェイ氏(そのアウトドアメーカーの副社長)は「なぜそんなに効率を求めるのか。効率を求める必要はないのでは」と返されました。
その言葉に私は、ずっとカメラで効率を求めて来たのかとドキリとしました。
また彼からは「あなたは、どんな活動をしていますか」と問われました。
私はドキドキしながら、「太陽の写真を撮っています」と、これまで撮った写真を見せたところ、彼は「ファンタスティック!!」と最高の言葉を返してくれました。
そのことで、私は自信を取り戻し、再び太陽を撮るようになったのです。
彼との出会いがなかったら、今の私はいなかったかもしれません。
今、私は企業と共に小学校の体操服をリサイクルする活動もしています。
ある時、太陽を撮っている私の新聞記事を見た、小学校時分の担任の先生から、廃材を利用したカメラや写真について話をして欲しいと依頼がありました。
子ども達に環境について話をしていると、服のラベルを見てリサイクル衣料かどうか確かめることになりました。
そこである子どもが「永遠に捨てない服が着たい!」「おこづかいを貯めて、捨てなくて良い服を買いたい」と話しました。
その言葉に感動して、体操服のリサイクル活動を始めたのです。
ここでも、先生や子ども達との出会いから、活動が生まれました。
そのように、人との出会いから全てが始まったと感じています。
・・・
お話の後、岡部さんを中心に参加者同士が顔を見て、お茶を飲みながら質問や感想などをお話ししました。
参加者の方には、ピンホールカメラで写真を撮っておられる方や、今回の企画展で出展しておられる方などもおられ、ピンホールカメラのおもしろさや太陽の恵みの大切さなど、いろいろな話題が話されました。
その後は、会場に移動して、岡部さんの写真を見ながらのおしゃべり。
会場には、9枚の太陽が展示してあります。
9秒間の太陽からのエネルギーで、全世界で人間が使うエネルギーに相当するそうです。
岡部さんが、太陽の写真を撮るには、1秒間レンズを開けるそうです。
1秒間の太陽×9枚の写真=全世界で使われるエネルギーとなります。
人との出会いから、表現や環境のことへとつながって、今いきいきと話し写真を撮っておられる岡部さんでした。
皆さんもぜひ探検の殿堂で、岡部さんの写真や、他作家さんの太陽の作品をご覧ください。
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そよかぜ第219号を発行しました
そよかぜ第218号を発行しました
そよかぜ「きまぐれ通信」2020年1月17日号を発行しました
そよかぜ第217号を発行しました
そよかぜ「きまぐれ通信」2019年11月15日号を発行しました
そよかぜ「きまぐれ通信」2019年10月18日号
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Posted by BIWAちゃん at 11:33
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